校務の情報化
平成23年香川県議会9月定例会(第3日)の議事録より抜粋
質問者(H議員)
質問の最後は、校務支援システムの導入推進についてであります。
本年八月に文部科学省は、平成二十二年度の「学校における教育の情報化の実態等
に関する調査結果」の概要を発表いたしました。これは、初等中等教育における教育の情報化の実態等を把握し、関連施策の推進を図るため実施している調査の
結果を毎年発表しているもので、昨年度の調査結果を発表したものです。調査項目は、大きく、学校におけるICT環境の整備状況と教員のICT活用指導力の
達成状況に分かれます。
本日は、この中の学校におけるICT環境の整備状況に関連してお尋ねいたします。
ICT環境の整備状況調査に
もさまざまな調査項目がありますが、おおむね香川県は全国平均よりも上を行っております。教育用コンピューター、校内LAN等のハードウエア整備状況は全
国平均と同等か上回っていますし、グループウエアの整備率や情報管理責任者の配置率などソフト対策も全国平均を上回っています。
そうした中で気
になるのが、校務支援システムの整備率であります。これは、全国平均が五二・三%であるのに対し、本県は四一・八%、全国第三十四位と、かなり整備がおく
れている結果が出ています。看過できるものであればよいのですが、校務支援システムは、多忙と言われる先生の負担を軽減させるためのシステムであり、先生
が生徒に向き合う時間を少しでもふやすためには、ぜひ導入促進が望まれるシステムであります。この整備が県下で全体的におくれているのであるならば、県と
しても、このおくれを取り戻すべく支援の手を差し伸べるべきと考えます。
先日、この校務支援システムの導入事例として、群馬県の事例を聞く機会
がありました。群馬県では、教員へのアンケート調査をしたところ、通常の勤務日で勤務時間外に校務をする時間は平均二時間以上が五一%あり、土日等休みの
日に校務をする時間も平均二時間以上が四〇%あったということでした。負担が大きいと思う校務は、一位が通知表の作成、二位が指導要録の作成、三位が報告
書等の作成となっており、事務作業が上位を占めていました。群馬県では、こうした教員の事務作業の負担軽減を図るため、県が主導して民間企業が開発した校
務支援システムの導入を図りました。県で統一してソフトを導入することによってコスト低減につながるし、県内での人事異動時もシステムの操作法が変わら
ず、教員の負担軽減になる等のメリットがあるためです。この校務支援システムの導入により、教員の改善効果の実感は八〇%以上の教員が感じているとの報告
がありました。
本県においても、教員の事務作業負担軽減を図るため、県が主導して校務支援システムの導入を推進したらいかがかと思いますが、教育長のお考えをお聞きし、私の一般質問を終わります。
教育長(細松英正)の答弁
H議員の、ICTを活用した校務の情報化の推進についての御質問にお答えいたします。
学校現場では、学習指導や生徒指導などの教育活動以外にも事務的作業や保護者への対応など、教員が取り組まなければならない業務がふえており、教員が子供と向き合う時間の確保が課題となっております。
このため、県教育委員会においては、新しい教育基本計画において、教員の業務改善を重点項目の一つと位置づけ、ICTを活用した校務の情報化の推進に対する支援などに取り組むこととしております。具体的には、これまで教員にとって大きな負担となっていた指導要録や通知表の作成に当たり、各教科等の評価や評定を入力することでICTを使って作成できる共通のソフトウエアの開発に現在取り組んでおり、十一月には各市町教育委員会へ配付する予定であります。
県教育委員会としては、校務支援システム導入の前提となる学校現場のICT環境の整備促進を市町教育委員会に働きかけているところではありますが、今後とも、教員の負担軽減や事務作業の効率化を図るため、他県の情報も参考にしながら、ICTを活用した校務の情報化を推進してまいりたいと考えております。
| 固定リンク
「ICT」カテゴリの記事
- 大手前高松中高ICT公開研究会(2023.05.21)
- 参加申し込み(2023.05.14)
- 情報モラル教育ポータルサイト(2023.05.09)
- ATOK(2023.05.02)
- 避難訓練(2023.05.06)
コメント